https://fukazawa.cs2.jp/yoyaku/

また,音声ガイド電話での予約もできます。
tel 050-5840-1130
【喘息の軽症化】吸入ステロイド薬や有効な内服薬の普及で小児喘息が軽症化し,入院や喘息死が激減しています。小児喘息は「死に至る可能性のある慢性の病気」から「治癒あるいはコントロール可能な病気」へと変わってきました。
【長期治療から短期治療】 喘息発作ゼロを目標にして,長期の喘息治療が一般的です。しかし,多くの保護者は喘息治療をいつまで続けるのか?発作が無いのは本当に長期治療の効果なのか?など長期治療に疑問や不安を持っています。
喘息発作をゼロにする方針は魅力的ですが実際には不可能です。また,この方針のための過剰治療による副反応が危惧されています。小児喘息症状の悪化のときに治療を始め,症状が治まれば治療を止める方針が自然な治療方針ではないでしょうか。
【解ってきたこと】 喘息は体質ですが大部分は自然に良くなっていきます。また,ほとんどの喘息発作の引き金がウイルス感染(カゼ)であることが解ってきました。吸入ステロイ薬は有効性が高く現在の喘息治療には欠かせませんが,長期投与で身長が1~2cm程度低くなることも解ってきました。
【吸入ステロイド薬の間欠投与療法】 吸入ステロイド薬の効果と安全性の確保のため,カゼ症状がみられたときや喘息症状が出現したときに保護者や患児の判断で吸入ステロイド薬と気管支拡張剤の吸入を開始する間欠投与療法が海外で広がってきています。
【当院での間欠投与療法】 2007年から吸入ステロイド薬の間欠投与療法を行ってきました。2010年に吸入ステロイド薬の間欠投与療法を行っていた1~15歳までの462例の2年間の経過を紹介します。吸入ステロイド薬を処方した人数は初年度と比較し翌年,翌々年は40%,26%と減少していました。中発作以上の発作回数は初年度の268件から52件,39件と減少し,入院も初年度の5件から翌年以降は0件となっていました。このように吸入ステロイド薬の間欠投与療法により吸入ステロイド薬の効果と安全性の両立が可能であると思われます。
子どもの病気のほとんどは自然に治っていきます。ただ,子どもの病気を心配して来院されたご両親を前にすると,どうしても過剰な診断や治療をしてしまいがちです。しかし,過剰な治診療や治療はかえって危険です。
子どもの中耳炎や副鼻腔炎などの耳や鼻の病気,またアトピー性皮膚炎などの皮膚の病気の診断や治療は大人とは違います。
子どもには,子どもの全体像を知る小児科医の立場での診療が必要です。
一般診療 |
---|
発熱,咳や鼻水,目やに,腹痛,夜尿症,便秘,包茎,デベソ等 子どもの病気は何でも診ます。 |
アレルギー |
食物アレルギー 負荷試験も行います。
アレルギー性鼻炎・結膜炎アレルギー性鼻炎にはダニやスギの 舌下免疫療法を行っています。
|
耳・鼻の病気 |
中耳炎や滲出性中耳炎 副鼻腔炎(ちくのう症)など |
皮膚の病気 |
重症アトピー性皮膚炎,湿疹 おむつかぶれ,とびひ,あせも 水いぼ,魚の目,虫刺され等 |
目の病気 |
結膜炎,ものもらい,斜視,近視,遠視など |
心臓の病気 |
先天性心臓病・川崎病など |
私の仲間の小児科医と一緒に作った「抗菌薬の適正使用のガイドライン」を原則としています。
抗生剤 のガイドライン
現在,このガイドラインは多くの小児科医から支持されています。また世界の小児科医の評価を受けるため英語版も作成しました。海外の小児科医からも高い評価を受けています。
耐性菌 |
---|
安易な抗生剤の使用は抗生剤の効かない菌を増やすことにつながります。 |
腸内細菌への影響 |
抗生剤が正常な腸内細菌のバランスを破壊して,さまざまな病気の原因となることが解ってきました。 |
川崎病 |
日本に多い川崎病の原因が抗生剤の過剰使用が原因となっている証拠が見つかってきました。これも腸内細菌の破壊が引き金になっています。 |
抗生剤は細菌感染症の治療薬 |
抗生剤は細菌感染にのみ有効で,細菌感染症ではないウイルス感染症には使ってはいけません。抗ガン剤をガン以外に使ってはいけないのと同じです。 |
抗生剤の処方が必要な病気 |
抗生剤が必要な病気は多くはありません。 ・溶連菌 扁桃炎があるときに迅速検査で診断できます。
・菌血症乳幼児の高熱のときにみられます。血液検査で早期にある程度診断できます。
・尿路感染症1歳未満の子どもの熱では,尿の検査が必要です。正確な診断には膀胱にカテーテルを入れて尿をとります 。 |
抗生剤が不要な病気 |
・中耳炎
通常の中耳炎はカゼ(ウイルス感染)で発症するため抗生剤は不要です。稀に痛みや発熱が2~3日持続し,血液検査も悪いときは乳様突起炎が疑われるので使用します。
・副鼻腔炎(蓄膿症)
カゼ(ウイルス感染)で発症するため,「あおばな」にも抗生剤は必要ありません。
・下痢
通常の下痢には抗生剤は不要です。便の血液反応が強く食中毒が疑われ,重症のときにだけまれに使用します。
・トビヒ
通常のトビヒには抗生剤は不要です。水疱ができて広がっているときにだけ使用します。 |
【抗生剤についての院長コラム】
・抗生剤の光と影1
・抗生剤の光と影2
・抗生剤の光と影3
・カゼに抗生剤は危険です
・抗生剤と腸内細菌
・子どもの発熱と菌血症
急性中耳炎 |
---|
年間の症例数は1,000例程です。中耳炎の99%は自然に治癒します。このため耳痛があれば1~2日ほどは鎮痛剤のみで経過を観察し症状が続くとき(2%程度)には血液検査を行い細菌感染が強く疑われるときにだけ抗生剤を投与します。 カゼのときに耳を診ると,半数以上で鼓膜が赤いとか鼓膜が腫れているためで,中耳炎と診断されます。しかし,痛みとか,耳漏などの症状がなければ,治療の必要はありません。 |
【院長コラム】
・中耳炎の治療は必要?
・耳炎はカゼ症状の一つです
・夜中に耳が痛くなったとき
【詳しい解説】
・PDFファイル
滲出性中耳炎 |
---|
年間の症例数は1,000例程です。滲出性中耳炎のほとんどは数ヵ月で自然治癒していきます。聴力検査(OAEなど)で高度の難聴がみられなければ,とくに治療はしないで月に1回程度経過をみていきます。 5歳以上の子どもで,難聴が3~6ヵ月以上続けば内服薬による治療をおこなっています(有効率90%程度)。 これで治癒しない場合にのみ,鼓膜チューブの挿入も考慮しますが,当院での鼓膜チューブの挿入例は事実上ありません。 |
【院長コラム】
・滲出性中耳炎の治療は必要?
【詳しい解説】
・PDFファイル
副鼻腔炎 |
---|
過剰診断や過剰治療を避ける必要があります。子どもの「カゼ」の後に副鼻腔のCTやMRIの検査をおこなうと60%に副鼻腔炎がみられます。しかし,2週間程度で自然治癒するため,クラリス(クラリスロマイシン)などの抗生剤を投与する必要はありません。 子どもには治療が必要な副鼻腔炎は事実上ありません。鼻水が長く続くときや,あおばなが出るときは,家庭で鼻の吸引を行うだけで十分です。小学校高学年では大人と同様な副鼻腔炎が稀に見られます。このときの副鼻腔炎の診断はレントゲンではなく被爆の心配がないエコー検査でおこなっています。 |
【院長コラム】
・子どもに蓄膿症はありません
・蓄膿(副鼻腔炎)の治療は必要?
・鼻みずと副鼻腔炎(蓄膿症)
アトピー性皮膚炎 |
---|
・治療 基本はステロイド剤と保湿剤を塗ることです。ステロイド剤の強さには4段階がありますが,乳児では最も弱い4番目のステロイド剤で十分です。幼児~学童では3番目のステロイド剤までで十分にコントロールができます。 かゆみが強ければ抗アレルギー薬の内服もおこないます。 ・新薬の効果 最近ステロイド剤ではない新しい外用薬も開発されていますが,効果はとてもステロイド剤にはかないません。また,価格も高くまだまだ現実に使える薬はステロイド剤以外にはありません。 ・治療目的 アトピーは治療しても治療しなくても,最終的には年齢ともに皮膚が強くなり自然に治っていきます。皮膚の性質は遺伝的に決まっています。皮膚の性質を変るお薬はありません。ステロイド剤の効果はせいぜい数日です。決して永続的なものではありません。アトピー性皮膚炎の治療目的は,自然に治る時期が来るまでの間,快適に日常を過ごさせる状態を保ってあげることだけです。 ・食物アレルギーとの関係 誤解が多いようですが,食物アレルギーがアトピーの原因となることはありません。アトピーを心配して食物制限を行うことは有害で無益です。 |
【院長コラム】
・アトピーの治療はほどほどに。
・アトピー性皮膚炎?湿疹?
食物アレルギー |
---|
・食物アレルギーへの考え方 最近食物アレルギーの考え方が大きく変わってきました。食物アレルギーを心配して,離乳食を遅らせたことが食物アレルギーの増加の原因だということが解ってきました。5か月になったら,なるべく多くの種類の離乳食を食べさせてください。最初は少ない量から始めますが,少しずつ増やしていきます。口の周りが赤くなる程度の軽い症状が出たときには,半分程度に減らして続けてください。 ・食物アレルギーにさせない方法 私を含む,全国の20の小児科クリニッで協力して生後4か月から,卵,ミルク,小麦,大豆,ソバ,ピーナッツの6種の食品を少量から食べさせる研究を行っています。現在まで,早期から6種の食品を始めた子どもからは,食物アレルギーの子どもは一人も出ていません。 |
【院長コラム】
・食物アレルギーの予防法
・食物アレルギーで食物除去をしている方 実際に食物除去が必要なケースは多くはありません。軽い皮膚症状が出た後に血液検査で食物アレルギーと診断され,食物除去を行っている子どもが大半です。とりあえず食物負荷試験を行い,本当に食物除去が必要か調べる必要があります。
・食物負荷試験 当院では予約制で食物負荷試験を行っています。 |
【院長コラム】
・食物負荷試験
気管支喘息 |
---|
当院が目指す喘息治療方針は,簡単で短期間ですむ治療です。 ・喘息の軽症化 吸入ステロイド薬や有効な内服薬の普及で小児喘息が軽症化し,入院や喘息死が激減しています。小児喘息は「死に至る可能性のある慢性の病気」から「治る病気」へと大きく変わってきました。
・長期治療が必要?
喘息発作ゼロを目標に,長期の内服薬治療が今でも一般的です。しかし,多くの保護者は治療をいつまで続けるのか? 発作が無いのは本当に長期治療の効果なのか?など長期治療に疑問や不安を持っています。喘息発作をゼロにする方針は魅力的ですが実際には不可能です。また,この方針のための過剰治療による副反応が危惧されています。喘息の悪化のときに治療を始め,症状が治まれば治療を止める方針が自然な治療方針ではないでしょうか。
・解ってきたこと
喘息は体質ですが大部分は自然に良くなっていきます。また,ほとんどの喘息発作の引き金がウイルス感染(カゼ)であることが解ってきました。吸入ステロイ薬は有効性が高く現在の喘息治療には欠かせません。しかし,長期投与で身長が1~2cm程度低くなることが解ってきました。
・当院での間欠投与療
・吸入ステロイド薬の間欠投与療法 吸入ステロイド薬の効果と安全性を両立させるため,カゼ症状がみられたときや喘息症状が出現したときに保護者や患児の判断で吸入ステロイド薬と気管支拡張剤の吸入を開始する間欠投与療法が海外で広がってきています。 2007年から吸入ステロイド薬の間欠投与療法を行ってきました。2010年に吸入ステロイド薬の間欠投与療法を行っていた1~15歳までの462例の2年間の経過を紹介します。吸入ステロイド薬を処方した人数は初年度と比較し翌年,翌々年は40%,26%と減少していました。中発作以上の発作回数は初年度の268件から52件,39件と減少し,入院も初年度の5件から翌年以降は0件となっていました。このように吸入ステロイド薬の間欠投与療法により吸入ステロイド薬の効果と安全性の両立が可能です。
|
【院長コラム】
・喘息の短期療法 一般向け
・喘息の短期療法 医師向け
・夜間の喘息発作で困らないために
主な検査機器 |
---|
血液検査
CBC,CRP,血糖,ケトン体,電解質など
エコー(高性能カラードップラー)
顔面(副鼻腔炎),心臓,腹部(虫垂炎,腸重積,嘔吐下痢症), 関節(股関節脱臼,単純性股関節炎),耳下腺(反復性耳下腺炎)などの診断
スパイロメータ
喘息児の肺機能検査
ファイバースコープ
鼓膜(中耳炎)の診断
ティンパノメトリー
滲出性中耳炎の診断
DPOAE乳幼児の聴力検査
オーディオグラム
学童の聴力検査
スポットビジョンスクリーナー
乳児からできる視力検査
遠視・近視・斜視 特に乳幼児期の遠視は将来の弱視につながるため,早期発見が大切です。 |